【分科会】ノーレイティング制度

2018.6月 HLC分科会 ノーレイティング制度

 先日HLC会員でノーレイティング制度について語る”HLCランチ分科会”を開催しました!ノーレイティング制度に積極的な関心を寄せられている株式会社favyの渡辺さん(以下、渡辺氏)の一言をきっかけに、既に制度を導入されている株式会社ISAOの小柴さん(以下、小柴氏)とHさん(以下、H氏)をお招きし、「制度導入に至った経緯」や「導入してみて良かったこと」、「導入したから見えた課題」など、ランチをしながら対談しました。

 制度の「導入の仕方」から「自社に馴染ませる為に行った施策」等、ランチ会の様子をレポートさせていただきました!


今回は「お寿司ランチ」でした!

ノーレイティング制度とは?

 ノーレイティング制度とは、従来の年次評価制度(社員をA,B,Cや数値で評価すること)を行わない制度のことを意味します。

これは社員をまったく評価しないということではなく、従来の年度初めに目標を設定し、中間期に進捗報告、年度末で実績に基づきレイティングを行うことを廃止するということです。

新しい目標設定や結果に対するフィードバックを日頃から行うことで、社員に失敗を恐れるプレッシャーを与えずに、個々のパフォーマンスを向上させることを目的としています。




ノーレイティング制度導入に至った経緯って?

H氏:もともとは、目標設定をしてその達成度合いでABCをつけて評価をしていました。ただ評価と給与の相関関係がわかりづらいとの現場の声がありノーレーティング制度の導入をはじめました。

小柴氏:わたしたちも、もともとはABCで評価をし、それによって賞与が決まるとしていました。評価と賞与がある程度連動している形です。




どういったノーレイティング制度を導入したのか?

小柴氏:私達は2016年末から制度を導入しました。それまで賞与は、個人のレーティング結果に紐づいていましたが、会社全体の業績に紐付くよう変更しました。成果を上げた個人に対しては、別途Award表彰という形で光を当てます。
目標は、期初のこの日までに立てください、というアナウンスはしていません。ミッションに応じて適切なタイミングで自分で立てたり、他の人の目標にコラボレーションしてもらっています。これも全社で管理をすることはないですね。




ノーレイティング導入とともに取り入れたプチ360度制度って?

【お寿司にはあまり興味を持ってくれなかった株式会社ISAOの小柴氏】


小柴氏:弊社では、社員一人ひとりに成長をサポートするコーチがついています。社員はコーチ候補群からコーチになってもらいたい人を自ら指名でき、いつでも変更可能です。日常のコミュニケーションは基本的にコーチととってもらいますが、昇級推薦時、および半期に一度のタイミングでは、その他のメンバーからもフィードバックをもらえるプチ360度制度を取り入れています。ちなみに昇級推薦も期日を区切らず毎日受け付けています。

 プチ360度でフィードバックをもらう相手は、本人もコーチも選ぶことができて、本人はフィードバックしてもらいたい人、コーチは声を取り入れたい人を選べます。ポイントは、評価基準を明文化していないところですね。プチ360度制度を導入してからは、評価経験がない人もヒアリング対象者として選ばれることになり、「何を基準にフィードバックしたらいいのかわからない」という声があがりました。でもここで細かく明文化してしまうと、その言葉だけが独り歩きしてしまうので。




評価基準を明文化しない代わりにやっていることって?

【目の前のお寿司が我慢できなくなってきている。H氏】


H氏:それめっちゃわかります。

小柴氏:評価に対する考えは、代表からも全社員に文章で説明してもらっています。また、「どうして?」と質問があればそれにも必ず答えます。うちでは各個人の等級と給与もオープンしにしていますね。

【テーブルに手が伸びたと思ったら、お茶でした。】


小柴氏:自社サービスの「Goalous」という社内SNSを使っていて、誰がどんな目標を持って働いているのかを社内で共有しています。みんなゴールに向かって仕事をしているはずなので、その日々の活動も写真付きでシェアしています。たとえば、営業が「今日はここに訪問してきました!」とか。どんな等級の人が、どんな目標を立てて、どんな活動をしているのか、社内サンプルがオープンになっているイメージです。




導入にあたって、直面した課題は?

【やっぱりお寿司が気になる。もう少し話に興味を…】


H氏:難しいのが、給与や評価にあまり関心の無い社員への向き合い方です。彼らは給与や評価が上がるということよりも、自分のやりやすい形で仕事をしたいという要望が強く、評価はそんなに興味が…見たいな感じで…。評価してもされなくても楽しく仕事をするのが重要という従業員の方にこの制度がヒットしなかったというのは意外でした。評価に対してあまり関心が無いけど成果はトップクラスの人たちがより特別な存在になっていく事を促したかったんですが、導入にあたって、少なくとも多少は評価に対して共通認識を持たせるべきだったなというのが反省点でした。
やっぱりいざ部下と向き合うっていう風になると、制度が変わるってこともマネージャーからするとストレスだったりするのかなと思いました。なのでマネージャーとのコミュニケーションは密に取るようにしましたね。




ノーレーティング制度導入にあたっては企業文化とどうマッチングさせるか

【お寿司を横目にPCを出してしまう、株式会社favy渡辺氏】

渡辺氏:なるほどですね!お話聞いて結構イメージが湧いてきました!あとは管理ですよね。

H氏:良かったです。そう言っていただいて。管理はやっぱり企業によって様々ですよね。うちの場合だと等級はパフォーマンス毎に見ています。ただ、それも数値化できてしまうので、その辺は実質の評価制度と変わらないのでは?という疑問も自分の中でありましたね。

渡辺氏:なるほど。。。

H氏:イメージとしては評価は毎月細かく出しつつ、賞与に紐付くレーティングは辞める。みたいな感じです。

小柴氏:そうですね。うちの場合、過去行っていた賞与に紐づくレーティングは能力と成果が混じってました。でもノーレーティング制度を導入したときに明確に分けました。成果が出るときって、本人以外に運やタイミングによる場合もあったりするので。それは短期的な成果として見てAwardで還元しています。一方、その人の能力そのものが上がったときには等級を上げています。能力には、その人がビジョンやミッション、バリューをちゃんと体現しているのか、といった部分も含めてます。

今日話したようなことを別の会社でやろうとしたとき、全く同じようにできるかというと、その会社のカルチャーも相まってくるのでどうなるか難しいところですね。

【ようやくお寿司を食べ始めた渡辺さん…。もう終盤ですけど…。】


渡辺氏:なるほど。お話を伺ってノーレーティング制度をすんなり入れていけるところと、組織的にも入れ方を考えないといけないところがあるなと感じました。自社の文化との整合性が大事で、そこがうまく行けばすんなり入るというイメージを持つことができました!


ご参加頂いた皆様ありがとうございました!


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