今回の定例会では10万部突破の『転職の思考法』に続き、『天才を殺す凡人』(1月18日発売予定)の著者である北野さんにご登壇いただき、採用活動におけるコンテンツの重要性についてお話しいただきました。
<登壇者プロフィール>
◯北野唯我氏
兵庫県出身。就職氷河期に博報堂へ入社し、経営企画局・経理財務局で勤務。
その後、ボストンコンサルティンググループを経て、2016年ハイクラス層を対象にした人材ポータルサイトを運営するワンキャリアに参画、最高戦略責任者に就任。
TV番組のほか、日本経済新聞、プレジデントなどのビジネス誌で「職業人生の設計」の専門家としてコメントを寄せる。
著書に10万部突破の『転職の思考法』、『天才を殺す凡人(1/18発売)』
コンテンツがすべてを決める!?
世の中には莫大な情報量が溢れています。しかしながらキャリアのイメージを明確に持っている人々は少なく、必ずしも「就労感」自体が成熟化していないのが現状です。
企業はその現状に加え、少子化による「新卒採用者数」の減少、「口コミ」の影響力の強さによって、優秀な人材を獲得することが難しくなっています。
特に近年はインターンシップ実施企業が増加していて、ただインターンシップを行うだけでは他企業との差別化ができず、その内容の質が問われ始めています。
『コンテンツが良くなければ「優秀な人からの興味」を獲得できない』時代がもうすぐそこまでやってきています。
良質なコンテンツとは!?
ズバリ「人の変化」を起こすものです。
良質なコンテンツを持っていて、それを発信できる企業は自社の規模以上に優秀な人材を確保することができる事例があります。
コンテンツの満足度と選考へのエントリーの参加率は相関関係にあります。
定例会では実際にデータを参照しながら、イベントのコンテンツの満足度が高くなればなるほど、求職者の選考へのエントリー数が増加していることを数字で読み解くことができました。
実際のワンキャリアに掲載されている企業のブランド記事相関とPV数には相関があります。しっかり読まれるコンテンツであれば、シェアを通じて認知が広がります。人々は読んで面白かったもの、自分に変化をもたらしたようなコンテンツをシェア・拡散します。コンテンツの満足度は選考へのエントリー数だけでなく「企業の認知」にも繋がります。
「良いコンテンツ」=「原液」+「コンテキスト」です。
企業の持っている「原液」は企業の強みであり発信したいこと。つまり何を伝えたいのか?(what)というものです。そう簡単に変わることのない普遍的なものです。それに対し、「コンテキスト」は伝え方です。誰が・いつ・どういうか?(how)というものは変動的です。時期など狙いを定めて伝え方を変えれば「原液」をより多くの人に伝えることができます。つまりコンテキストはwhatを支える重要な役割を持ちます。
つまり企業が「無名有実」であっても、「コンテキスト」次第で「競合より強く」人々に企業について「認知」させることができます。
自社の「コンテンツ」を作り、発信する
プレゼンテーションの最後はコンテンツの作り方についてご教示いただきました。
まずはコンテンツの要である「原液」の作り方について言及します。
①あなたの会社・あなたが知っている「みんなが知ったら全体の富が増えること」は何かについて考えてください。
ここでのポイントは独自の事実、エピソード、数字に落とし込むことの三つは最低でも考えていただきます。三つだけではなくできるだけたくさん思い浮かべてください。
②書き出した魅力のうち、「ソーシャルイシューにつながるもの理由」が明確なものを探してください。
(※ソーシャルイシュー:困っている人が浮かぶテーマ)
企業が伝えたい魅力と世の中が困っている事は必ずしも一致しません。しかしながら部分的に重なっている要素は会社が成り立っている以上存在しない事はありません。重なる部分に一番広がる価値のある「原液」を作ることができます。
③選んだ話のうち「具体的なポイント」を端的に三つまとめてください。
上記の3ステップで、企業の持っている「原液」である発信したいこと、強みを絞り出します。
次に良いコンテンツを作るために必要な「コンテキスト」を作ります。
「コンテキスト」とは
①誰が言うのが適切か(本当に自分か)
②いつ言うのが適切か(どのタイミングが一番世の中の関心が高まるのか)
③どう語るのが適切か(面白おかしくいうべきか、真面目に行くべきか)
という三点を考えます。
最後に自社の「原液」を作ることができたら、次にメディアを選択します。ここでのポイントは、『この話を一番届けたい人は誰か、彼らが興味のあるテーマは何か、そのテーマと、あなたの話の「交差する論点」は何か』を考えて選び、自社の「原液」を広めていきましょう。
<質疑応答タイム>
Q.北野さんにとっていい会社とは?
A.CHROの視点から見て第一に組織面として、新たな事業展開をしていくときに従業員に煙たがられず、説得できるような状態が存在する会社です。事業展開の際に、つまり経営がCHROの力を求めたときに、CHROが主体となって人事全体で従業員の意思統一の体制を整えることが、新しい事業の進展に大きく寄与します。
第二に個人単位で従業員に対して最適なキャリアプランを提供することができる会社です。上記の二つ、会社においての仕事と従業員各々のキャリアのプランを両立させることがCHROの究極的な役割だと思います。
<MVQ選出>
今回もMVQを選出させていただきました。
MVQ本として2ヶ月で10万部突破を果たした北野さんのこちらの本を選出させていただきました!>>『転職の思考法』
定例会では北野さんに『天才を殺す凡人(1/18発売)』についてもお話をお聞きしました。組織の話や人を大切にしたいという方にぜひ読んで欲しいそうです。
今回も沢山の方にご参加いただきました。皆様お忙しい中ご参加いただきありがとうございました。
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