「活躍」を科学する
今回はデータ分析、統計学のスペシャリストである株式会社データビークル代表取締役の西内さんにご登壇いただきデータの重要性や、データを使って何ができるかについてお話しいただきました。
新たな試みとして、サイバーエージェント人材科学センターの向坂と実際にデータ分析を行い、科学的なアプローチをしながら「活躍」とは何かについてフォーカスしたいと思います!!
今回曽山は会員の方々に混ざり、実際にグループワークを行いました。
<登壇者プロフィール>
◯西内啓さん
兵庫県出身の統計家。東京大学大学院医学系研究科医療コミュニケーション学分野助教、大学病院医療情報ネットワーク研究センター副センター長、ダナファーバー/ ハーバード がん研究センター客員研究員を経て、現在は、分析サービスを提供する株式会社データビークルの取締役として、全てのビジネスマンが分析に携われるツールの開発、官民のデータ活用プロジェクトの支援に従事。
著書である『統計学が最強の学問である』は、シリーズ累計40万部を超え 2014年度ビジネス書大賞、2017年度日本統計学会出版賞を受賞している。
日本プロサッカーリーグ(Jリーグ)のアドバイザー。
◯向坂真弓
株式会社サイバーエージェント 人材科学センター
一橋大学社会学部卒業。2003年、新卒でサイバーエージェントに入社。インターネット広告事業本部で営業とマーケティング業務に従事。その後、海外にてフリーランスとしてマーケティングに携わり、2016年サイバーエージェントに出戻り入社後、当社のHR Tech部署ともいえる人材科学センターで人材の適材適所を目的とした人事データの分析を行っている。
統計データが教えてくれること
データを使って優秀な人材を獲得することについてお話しいただきました。
優秀な人材は平均的な従業員と比べ、生産性に大きく差があります。
そこで西内さんには統計データを用いた選考方法ごとの業績説明力についてお話し頂きました。その中でもワークサンプルテスト(実際の仕事を切り出してやらせる)の説明力が最も高く、優秀な人材を見極める要素として重視すべきであるということが判明しました。
また西内さんは『組織行動のマネジメント』という本を取り上げ、採用の際に共通した一次元的な評価が存在しているわけではなく、環境との相性であり、適材適所、マッチングの問題であるといいます。
HR領域ではKKD(勘と経験と度胸)に頼ってきました。しかしながらHR領域でも科学的で統計的に有効なデータを用いて意思決定をするという視点も必要です。そこでKKDの持つ働き(問題点の抽出や要因の洗い出し、新たな企画のアイデア出し)を活かしながら、必要なデータを十分に集め、判断していくという両方のバランスが今後求められることが予想されます。
データ分析と現実の比較
株式会社データビークルが販売するデータ分析用ツールData Diverを使ってデータ分析を行いました。実際にサイバーエージェントのグループ会社シーエー・モバイルの採用データを用いて、どんな学生がこの会社にあっているのか、また優秀になる見込みがあるのかについてデータ分析からアプローチしました。
データ分析による結果が現実とどれほどマッチングしているのかをシーエー・モバイルの採用チームの方々に協力してもらいその場でデータ分析を行い、比較いたしました!
データを分析することで、なんとなく優秀だなと思っている人材の共通した性格や地域性を可視化することができました。
曖昧さを感覚だけでなく、人事でもデータを根拠に意思決定をすることが大切です。
分析するにあたって大切なこととは
西村さんは分析するにあたって「とりあえず分析してみること」が大切とおっしゃいます。
データ収集に時間をかけて分析を始めても、分析をしている間に新たな変数が生まれ、集めていたデータとは異なる種類のデータが必要になることも多くあります。
分析を少ないデータ数から始めれば、必要になるデータも早期の段階から見極めることができ、円滑にデータ分析を進めていくことができます。
分析結果からアクションを起こすことで、新たな発見に繋がります。
データ分析の罠としてデータの加工というものがあります。
データを活用して採用するところまでが本当のゴールではありません。
「どれくらい会社に貢献したか」というものを「上司からの評価」や「どれくらい昇進したか」というもので評価した場合に、間違った指標でデータ分析することがあるといいます。
上司からの評価のために間違った指標管理し、最大化しようと行動を起こしても意味がありません。
何を最大化し、何を最小化することが会社に一番良いのかというものを見つけることが何よりも大切です。
<質疑応答タイム>
HLCでは毎回質問タイムを設けています。今回もその一部を紹介いたします。
Q.得られたデータをもとに説得するコツは?
A.データに基づいて意思決定をした結果、成功した事例をつくりだす必要があります。成功事例が一つでもあると、そもそも興味のなかった人もデータ分析に基づきながらアクションすることに必要性を感じ始めます。すると、説得せずとも能動的にデータ分析を活用しようという心持ちになります。
HLCの会員限定のFacebookページに開催当日の動画がございますので、是非その他のQ&Aもご覧ください。
<MVQ選出>
今回もMVQを選出させていただきました。MVQ本として西村さんのこちらの著書をご用意いたしました。>>統計学が最強の学問である[ビジネス編]
今回も沢山の方にご参加いただきました。皆様お忙しい中ご参加いただきありがとうございました。 本記事をご覧になってもし興味が湧いたという方は下記よりチェックをお願いいたします。
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